2024年5月2日木曜日

BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.1(全3回):BraveBringerの開発経緯

 早いもので、本日でBraveBringer公開からはや1年が経過しました。
それを記念して……というほどの事ではないのですが、先日Twitter(現X)でフリーゲーム・同人作品の制作記録や編集後記に関する話題を見かけたこともあり、需要があるかどうかは分かりませんが、今回より3回に渡ってその制作経緯や裏話などをテーマごとに残していこうかと思います。

 基本的には作者の自分語りと与太話が中心になりますので、時間の有り余ったお暇な方だけお付き合いいただければと思います。また、今回はそこまで多くありませんが、本企画はBraveBringerのネタバレを含みますので、気になる方は本編クリア後に読んでいただければと思います。

今回は第1回としてシンプルに『BraveBringerの開発経緯』をテーマにすすめていきます。


 BraveBringerはこれまで似たようなタイトル・キャラで作り始めては途中で頓挫、を何度も繰り返していた作品で、その回数はおそらく10回以上に登っていたかと思います。
その中で学んだことは「展開を作りながら考えない」「完成させる前からその続編や外伝作には手を付けない」「要素を詰め込みすぎない」ということでした。
また、傾向として終盤になるほどマップ構成が雑になるというのも自分の弱点として経験則でわかっていました。

 そこで「ゲームを完成させる」という大きなゴールにいきなり向かうのではなく「シナリオを完成させる」「データベース・マップを完成させる」「イベントを設定する」の3段階に分けて、それぞれを小ゴールとして1段階ずつ順番に作っていくこととしました。
 まずは、頭から終わりまで一旦プロットだけでなくセリフやイベント内容を含めたシナリオを先行して完成させました。……とはいえ、それだけでも途中放置の期間(これが大半)を含めて2018年頃から2021年とかなりの期間を要することになってしまったわけですが。
実際には事前作成したシナリオから変更された内容や設定もありますし、これが最適解だとは到底思っていませんが結果的に完成にこぎつけられた点は、よかったのかなと。
ただ、時間がかかりすぎるうえに弊害も色々と多かったので、プロットだけでなくセリフ内容まで含めて事前に作成する形式での制作は多分二度とやらないと思います。

 なんとかシナリオは完成、マップやデータベースも概ね完成してそろそろ一番面倒で時間のかかる「イベントの作成」の段階に差し掛かったところで、「ここまで来たなら絶対にこれをエターナらせてはならない(※)」と考えました。そのため”ゲームの完成度を上げる”とともに”自身の退路を断つ”ために、SKIMAというサイトを利用して「自キャラの立ち絵を有償依頼して作成してもらう」ことにしました。
いくつかのコミッションプランを確認し、1枚あたりの価格、表情差分の扱い、イラストの画風等様々な要素を吟味して、今回1657さん(@1657san)というイラストレーターさんに依頼することにしました。
ゲーム用の立ち絵を作るのは初めて、というところに10名分のキャラクターイラスト+敵グラフィック+イベントスチル……といきなり大量のリクエストをぶつけることになってしまいましたが、快く対応頂いた1657さんにはこの場を借りて改めて感謝いたします。

 今思えば「失敗すればお金が無駄になり、イラストレーターさんをも悲しませてしまう」という、ともすれば自身をも追い込んでしまいかねないやり方でしたが「自分の生み出したキャラクターに唯一無二のビジュアルがつく」ことは思った以上に制作モチベーションに寄与し、キャラクターたちにより強く愛着を持つことにも繋がりました。結果として最後まで完成に至りましたので、今回に限っては成功であったと思います。

(※注:”エターナる”とは、ツクールユーザーの間で作品が完結しないまま、制作が止まってしまうことを指します。)


 自身の弱点とこれまでの反省点を生かした強攻策とイラストパワーによるモチベーション向上により無事、完成間近となったタイミングで「タイトルロゴ」をどうするかという点に思い至りました。
というのも10年前に「キラーナイツ」作成でも完成時同様の問題にぶち当たり、急遽Officeのワードアートでクソダサカラフルロゴを作成して公開するハメになったからです。
キャラ立ち絵依頼により財布の紐が緩んだというのもありますが、せっかくオリジナルの立ち絵を書いてもらえたのだからどうせならこちらも、と依頼を出すことにしました。
前述のSKIMAにはクリエイターに依頼する以外にも、条件と金額を指定してクリエイターを募集する「リクエスト」という機能があったので今回はそちらを使ってみることにしました。
その結果想像していた10倍くらいの立候補者が集まってしまい、断るのを申し訳なく思いながらもその中からコメントやポートフォリオ等を見て吟味し悩んだ末に、眩目くるめさん(@monokurupict)という方にお願いすることにしました。
結果、こちらの意図や細かいデザイン等を汲んで頂き現在タイトル画面に掲載しているロゴを作っていただきました。
もともとVXAce以降のツクールにはタイトルに自動でゲームタイトルを入れてくれる機能があるのですが、ちゃんとしたロゴが入るとタイトル画面やエンドロールもゲームらしい雰囲気が出るため、こちらもやはり依頼してよかったと感じました。
改めまして、眩目くるめさんにもこの場で感謝させていただきます。

 すべて完成しテストプレイが一通り終わったのが2022年終盤であり、もともと年内に公開予定だったのですが、ここで自分の悪い癖が出て「キャラ同士の会話シーンを入れよう」という突然の思いつきで『宿屋会話』の要素を追加することになりました。
これは制作時に発案はしていたもののボツにした内容だったのですが、思い至ってしまったのが運の尽き。制作とテストプレイは更に伸びることになり、公開日時は年内予定から年度内、4月中……とどんどん伸びていき、最終的にはゴールデンウィークの2023年5月初頭に公開する運びとなりました。
度重なるテストプレイでバグや誤字脱字は修正したはずだったのですが『慣れ』というのは怖いもので、発表から1ヶ月は見落としていたバグやうっかりミスの修正対応に追われていました。

 一方で3桁行けばいいなぁ……程度に思っていたプレイ数は想定以上に大きく伸び、多数の感想コメントとバグ報告いただきました。遊んでいただいた方、そしてバグ報告いただいた方への感謝の言葉をもって改めて本企画のPart1の締めとさせていただきます。

自分の作品に向き合っていただき、本当にありがとうございました。


 2回目がいつになるかは未定ですが、次回はより自分語りに特化した「BraveBringerの原案……の更に原案、そして作者のゲーム制作活動遍歴」についてとなります。
無駄にしていい時間が有り余っている方がいれば、引き続きお付き合いください。

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