2024年5月21日火曜日

BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.3(全3回):登場キャラクター達の歴史と変遷

 本記事は前回の「BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.2(全3回):本作の原案……の更に原案、そして作者のゲーム制作活動遍歴」の続きとなります。
その前提で記載されていますので、まずは先にそちらをお読みください。

前記事の冒頭にも記載しましたが、基本的には作者の自分語りと与太話が中心になりますので、時間の有り余ったお暇な方だけお付き合いいただければと思います。
また本企画はBraveBringerのネタバレを含みますので、気になる方は本編クリア後に読んでいただければと思います。

今回は第3回として『登場キャラクター達の歴史と変遷』をテーマに、ゲーム内で立ち絵が実装されている10名のキャラクターについて書いていきます。

まずは1,2回記事の内容の復習と整理も兼ねて、ざっくり時系列順に10人の登場時期を下記の表にまとめたいと思います。
だいたい時系列順ですが、データがまともに残っていないものもあるためだいたいの時間軸で考えてください。
また、キラーナイツや二次創作関連などBraveBringerに関係のない創作活動については表から除外しています。

凡例:
◎→現在と同じ名前、近い設定で登場した作品
◯→現在と異なる名称で登場した作品
△→名前や設定は異なるものの、共通要素を持つキャラが存在
ユリ→ユリウス レイ→レイ ラル→ラルフ エリ→エリシア フィ→フィーア
ドレ→ドレイク クラ→クラッド バー→バーツ メイ→メイガス シェ→シェリル


上記表を元にして、概ね登場順で各キャラクターについて振り返っていこうと思います。

ユリウス

・BraveBringerにおけるユリウス
まず主人公、ユリウスについてですがBraveBringer本編では最初からクリアまでほぼPTに固定のキャラクターということで、
どのパーティでも活躍できるよう、攻撃・防御・回復がそれぞれ行えるように調整されていました。
ただ、メイン装備が剣と盾で回復魔法が使える……という点に関してはだいぶ前からの既定事項だったりもします。
細かな設定や『星術』の存在について多少変化こそありましたが、一人称や性格面については大きく変わっていません。
逆に名前については何度か変更を繰り返しており「ユリウス」という名前で安定したのはここ数年での出来事だったりしますが。

ところで、作中で主人公ユリウスの"強さ"はどのように写ったでしょうか。
かつて自分の中であった「アンチ最強主人公」的な考え方も要因ではあるのですが、ユリウスという主人公は決して弱くはないものの、圧倒的な強さがあるわけでも、特別頭が切れるわけでも、人を惹きつける絶大なカリスマがあるわけでもありません。
ともすれば主人公としてはちょっと物足りない、印象が弱いと思う人もいたかもしれません。
それでも自身に出来る範囲で最善を目指して、全力で挑む姿が少しでもプレイヤーの印象に残っていれば幸いです。

・ユリウスの変遷

[Gen0:チラシの裏期]
アクションゲームでは、剣と盾をメインに弓や爆弾など多彩なアイテムを使用する予定でした。
EightHeroesでは、同じく装備は剣と盾に加えて白魔法(回復魔法)が一部使えました。

[Gen1-2:正男期]
デザインは概ね引き継がれていますが、
正男の世界観に準じた設定のキャラクターとなっています。
[Gen2-3:ツクール期]
当初は上記デザインを引き継いできましたが、
ライトブルーの上着が追加されました。
ここでさらに一度名前が変更されています。
[Gen4:BraveBlade期]
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
ここでようやく名前が「ユリウス」で固定されます。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。
上着とシャツの色がこれまでと逆になっていたり。


クラッド

・BraveBringerにおけるクラッド
次に紹介するのはBraveBringer本編では最後に仲間となったクラッドです。
過去バーツに拾われたことで、それを恩義に感じて彼を慕っている……という設定でしたが、
そこを本編にて詳しく書けなかったのはちょっと心残りですね。
元々はユリウスの影から生まれた魔物という設定……より直接的に言えば『ダークリンク』的なキャラであり、戦闘スタイルも同じ剣と盾、名前も『ダーク』と安直なものでした。
創作活動を続ける中で1人のキャラとしてだんだん独立していき、それにつれてユリウスの2Pキャラ的な色は薄れて戦闘スタイルもユリウスとは異なるスピードタイプ的な感じになっていきました。
なのでミアズマとの関りが深くなったのは忍者っぽい戦闘スタイルになったゆえで、後天的な理由付けだったりします。
(名前は『ダーク→DARK→KRAD→クラッド』なので実は昔と大差なかったりしますが)

・クラッドの変遷

[Gen0:チラシの裏期]
主人公の影から生まれた魔物という設定でアクションゲームではラスボスでしたが、
EightHeroes時点で早々にパーティメンバーとしてカウントされていました。
この時点では、武器は剣と盾で主人公とは属性違いのほぼ同性能でした。


[Gen1-2:正男期]
同じくラスボスとして登場→続編でプレイアブル化と、似たような道筋を辿ります。
この時点ではまだ武器は主人公と同じく剣と盾でした。
[Gen2-3:ツクール期]
瞳が赤くなり、衣装もユリウスとは別路線になりました。
この頃にはほぼ影である設定は消失し、「なんか似てる」くらいのものになっています。
またユリウスとの性能差別化のため、スピードタイプの一刀流というキャラ付けが定着。
ほかにもメイン武器が片手剣から刀になったり、このころから若干和な要素がちらほら。
[Gen4:BraveBlade期]
肌の色が灰色から褐色に変更され、忍者的な味付けもだいぶ顕著に。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


レイ

・BraveBringerにおけるレイ
主人公の幼馴染であり、作中ではヒロイン的なポジションが多かったレイ。
メイン魔法アタッカーでありながら離脱期間が長かったのは明確な反省点だなと思いつつ、
これでももともとはもっと長い予定だったところを短縮した結果というのが恐ろしいところ。
名あり女性キャラとしては自身の創作歴でも最も長い部類なのですが、
天才肌で研究者気質という味付けはだいぶ最近になってからだったりします。
ユリウス、クラッド、レイの3名はかなり長い間、自分にとって代表的な創作キャラとして存在していましたが、
そもそも作品が完成しなかったために世に出るのは3人共に、ほぼBraveBringerが最初となってしまいましたが。

・レイの変遷
[Gen0:チラシの裏期]
EightHeroesの時点で、同名で近い見た目のキャラクターが登場しますが、
職業は白魔道士、年上、サブキャラ扱いと現在とは全く別ものでした。

[Gen1:正男期]
当時女性キャラがほぼいなかったため、上記の外観と名前を流用して、
魔道士レイというキャラクターが誕生しました。
現在のレイに近いのは、ここで生まれたほうのレイだったりします。
当時は炎氷雷の三属性魔法を主力としつつ回復魔法も覚え、
作品によっては光魔法や闇魔法も覚えるなど、万能型の術士でした。
[Gen2:ツクール期]
水色一色のデザインが簡素すぎたため、丈の短いローブにスカートを着用するように。
また使用する魔法についても、ヒーラー担当のエリシアが登場したことにより、
魔法アタッカー専任として特化していきました。
[Gen3:BraveBlade期]
これまでトレードマークだった帽子が無くなり、赤いケープが追加。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


バーツ

・BraveBringerにおけるバーツ
ユリウスの宿敵であり、父の仇敵として登場したバーツ。
こちらも作中、その過去や経緯に尺を割けなかったことが心残りなキャラの1人です。
ユリウスの父の強さに対抗するため『魔剣』の力を研究していましたが、元々はその力を悪用する気など毛頭なく、
運悪く実物の『魔剣』を見つけてしまった結果負の感情を操られ、道を違えてしまいました。
クラッドを拾ったのはそれより以前であり、他2名との共謀は魔剣を見つけて以降となります。
クラッドとの関係もそうですが、ユリウスの父クレインとの関係性も何かのタイミングで描写できればいいなあと考えています。

・バーツの変遷
[Gen1:正男期]
これを現在のバーツと地続きで語っていいのか微妙ですが名前が共通しているので一応紹介。
次元の狭間に潜む闇の化身であり、主人公(現ユリウス)の影からダーク(現クラッド)を生み出した張本人。
[Gen2:ツクール期]
そもそも当時は作りたいところだけ作っていたので、
黒幕なんて適当にあとで考えることが大半だったのですが、
徐々に『クラッドの上司が必要だな』という当然の気づきから、
ぼんやりとボス像が形作られていき、そこに上記ボスキャラの名前が与えられました。
髪色はバージョンによって、銀髪と赤髪を行ったり来たり……
[Gen3:BraveBlade期]
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


シェリル

・BraveBringerにおけるシェリル
本格的にバーツ一行と敵対する時期に初登場してから定期的に登場し、
何やら意味深な言動を繰り返していたシェリル。
まあ、急に立ち絵のあるキャラが出てくるので怪しんだ人も多いと思いますが、
いわゆるお色気枠の敵の女幹部的なポジションです。
踊り子として各地を巡業しつつ、要人などに取り入って情報などを抜いていました。
本作で一番、というか唯一自分の"ヘキ"が出たキャラだったかな……とも。

その素性については作中のあちこちにヒントが……といっても公開からすでに1年、
エイプリルフール企画でもうほぼ答えを出してしまったようなものなので書いてしまいます。
ライトプレイヤーはわざわざこんなところ見ないと思いますし。
ただ、盛大にネタバレなので以下に白文字で記載します。
PCの場合は反転、スマホの場合はメモ帳等にコピーして読んでみてください。

王都の事件で王国騎士である父親をはじめとした家族を失っており、
その事件に関わっていたバーツに対して復讐しようと考えていました。
敵対するのではなく取り入ることで近づき確実な隙を狙っていたものの、
ユリウス一行に先を越されてしまいました。
敵対しているはずのユリウスに同情的な一面を持っているのは、
彼が同じ事件で家族を失っていたからなのかもしれません。

・シェリルの変遷
[Gen1:ツクール期]
この時点では、有志配布素材の外見をそのまま使用していました。
設定はまあ、あって無いようなものですが。
強いて言えば刀剣以外に鞭を使っている場合もありました。
[Gen2:BraveBlade期]
歩行グラフィックが独自のものに変更。
このバージョンでは一時ゲストとしてパーティイン構想も……?
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


ドレイク

・BraveBringerにおけるドレイク
本編では裏切り……と見せかけてそれは演技であり、
いろいろな因縁を抱えつつも最年長としてパーティを支えていました。
鈍足高火力高耐久、という典型的な重戦士キャラのはずがいつの間にか、
「画竜点睛→雲蒸竜変最大HPを上げてわざと瀕死に→パッシブで火力を上げる」など、
テクニカルな運用もできるキャラになっていました。
実はユリウス、レイ、クラッドの3人に続いて歴史あるキャラが、
意外にもドレイクだったりします。

またプロット時点では「『竜』と『邪竜』を見分ける能力」を持っていましたが、
能力が活躍する場面があまりにも限定的すぎることに加えて、
ただでさえ詰め込みすぎの9章aパートのストーリーがごちゃごちゃするので
『邪竜』の設定ごとオミットされました。

・ドレイクの変遷
[Gen1:ツクール期(初期)]
これを現在のドレイクと地続きで語っていいのか微妙ですが、
わりと初期の段階でデルタという名前の剣士として登場しました。
回復役を兼ねるユリウスと異なり、火力に特化した物理アタッカーでした。
[Gen2:ツクール期(中期)]
ユリウスたちと武器が被るという至極当然の理由で、槍キャラになります。
この時点では最初の町と王都との中間地点に『竜の神殿』があり、
その試練に挑み『竜騎士』になろうとしている青年という設定でした。
その次のバージョンでは同じ見た目で『王国騎士』という設定に変更されましたが、
『ディナール出身者が多すぎる』という理由で『竜騎士』に戻されます。
(この当時、大聖堂も王都にありました。詰め込みすぎである。)
[Gen3:BraveBlade期]
竜騎士という設定を弟に譲り、自身はドラゴンハンターに。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


ラルフ

・BraveBringerにおけるラルフ
BraveBringer本編ではユリウスと旅の途中で出会い、
そこから最後まで旅路をともにすることとなったラルフ。
エルフでありながら魔法が苦手で、バーツを追うもなかなか手がかりは見つからずと、
軽薄な表面の裏にコンプレックスを抱えるようなキャラクターでした。
プロットを作成した時期の都合などもあり、女性キャラに対する振る舞いに関してはちょっと時代にそぐわない面もあったかなと思いますが、
まあそんなところもラルフの特徴の一つというところで……。

・ラルフの変遷
[Gen0:チラシの裏期]
これを現在のラルフと地続きで(ry
EightHeroesに狩人ラスというキャラがおり、
現在のラルフにかなり近い見た目をしていますがこのときはエルフではありませんでした。
かわりに双子の兄という設定であり、ロスという弟がこの当時はいました。

[Gen1:ツクール期]
デルタ(現:ドレイク)が竜騎士と王国騎士を行ったり来たりしていたころに、
序盤に加入するパーティメンバーとして追加されることになりました。
ラスの外観だけを流用したレイと似たような経緯で、この時点ではエルフ設定もありませんでした。
水面下では弟のロスも登場予定で画像まで用意していたのですが、いつの間にか消えていました。
[Gen2:BraveBlade期]
エルフ設定が追加されました。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


エリシア

・BraveBringerにおけるエリシア
神官、ヒーラーというと優しい人や真面目な人をイメージしますが、
エリシアはそんなイメージとは間逆の性質を持ったキャラです。
というのも主人公であるユリウスやレイが大人しめの性格であったため、
それと異なるキャラクター性を持たせるためでもありました。
普段の自分ではあまり作らないタイプのキャラだったので不安でしたが、
終わってみるとしっかりキャラが立って動いてくれたので少し安心しました。
まあ喧嘩っ早くて短期なのをちょっと便利に使いすぎたかな、とも思いますが。
あとは"殴りアコ"的なキャラ付けをしてみたかったというのもあったりしますが、
こちらはゲームバランス的にちょっと難しかったですね……。

余談ですが彼女が単身フロスティアへと突撃するシーン、
当初はユリウス達を出し抜く手段が休憩の際食事に一服盛って眠らせるという内容でした。
(この時ダンジョン内に全回復ポイントはなく、セーブポイントで”使い捨てテント”を使用すると回復できる方式でした)
ただ、寒い氷の洞窟内でそれをやるとまず間違いなく死人が出るということ、そして後に知ったとあるネットミームの存在から変更することになりました。危ない危ない……。

・エリシアの変遷
[Gen1:ツクール期]
初期はフェリス、という名前でした。
当時レイの衣装がRTP僧侶の色違いだったため、
逆にRTP魔法使いがベースの衣装となっています。
(改めて見てもこの服で神官はちょっと無理があったのでは……)
[Gen2:BraveBlade期]
レイがオリジナル衣装になったことで晴れて神官らしい衣装に。
このとき同じ衣装で聖堂モブのグラフィックも作成しており、
この時点では緑や赤の服が一般神官、青が神官長という形式でした。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
ゲーム中出せていない設定として「ベーラ聖教」のシンボルは十字架ではなく、
雪の結晶をモチーフにした3つの線が交差した「*(アスタリスク)」様のシンボルという設定があったり。
いろいろと技術が足りず、ゲーム内には反映できませんでしたが……。
上記画像は、イラスト依頼した際のエリシアの服のデザイン案です。
(改めて見ると、ひどい画像ですが)


メイガス

・BraveBringerにおけるメイガス
彼女は典型的な悪役というか"小物界の大物"みたいなポジションで終始していましたね。
クラッドやシェリルが表に出るよりも暗躍するタイプのキャラクターなので、
その結果として各キャラのヘイトが集中してしまった面もあるのですが。
イラストを描いていただいた1657さんに申し訳なく思ってもいましたが、
悪役として強い印象がついていたのなら彼女も面目躍如かなあとも。
他のメンバーが割と何かしらの事情を抱えているなか、
終始シンプルに悪いやつとして、しっかり活躍してくれました。
(一応ドレイク同様に"メイガス"が偽名、という要素はありますが)

・メイガスの変遷


[Gen1:ツクール期]
この時点では、有志配布素材の外見をそのまま使用していました。
クラッド、シェリルに続いて幹部枠として定着しつつありました。
当時は、魔法薬に精通している設定で戦闘でもデバフを主体に使っていました。
現在の戦闘時グラフィックにも、その時の名残があったり。
[Gen2:BraveBlade期]
歩行グラフィックが独自のものに変更。
ここでおおむねキャラクター設定やスキルについては、
現在に近いものに変更されています。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。


フィーア

・BraveBringerにおけるフィーア
ここまでの10人のキャラクターで一番歴史が浅いのが、
実はフィーアだったりします。
イベントなどで発言の多かったエリシアとは対象的に、
特徴的な喋り方のせいで効果的に会話に出してあげられませんでした。
デバッグ完了間際になって宿屋会話の実装を決めた理由の一つとして、
本編中で発言機会の少ない彼女へのスポットが当たる機会を増やすのもありました。
おかげでほかキャラとの関係性を深めることはなんとかできたかなと。

なお余談ですが立ち絵のIDがドレイクと近かったために指定ミスがよくあり、
「幼女口調で話し出す30歳男性」や「ガハハ口調で笑い出す女児」という事故がデバッグ中は頻発していました。
ある意味では時代に即しているのかもしれませんが。

・フィーアの変遷
[Gen1:BraveBlade期]
当初は「フェイ」という名前でしたがレイと名前の響きが近いため変更に。
外観設定ともに現在と大きな違いはありませんが、メイン装備は短剣ではなく鞭で、
召喚魔法はダメージ軽減や属性耐性等と伴わない普通のMP消費スキルでした。
[Newest:BraveBringer]
現在の姿・設定。



……さて、ここまで長々と語ってきましたが、現在公開されているバージョンのBraveBringerそのものの製作時間自体はそこまで長くなく、クリア時間も20時間程度と長編RPGとしてはそこまで長い作品でもないのですが、実はこれだけの紆余曲折を経てようやく完成した作品でもあります。
公開までには自分の力だけでなく、様々な人の手を借りてようやく完成した作品ですので、ご協力いただいた方々、そしてプレイいただいた方々にはこの場を借りて改めてお礼を言わせていただきます。

それでは全3回、長々と自分語りしてしまいましたがお付き合いありがとうございました。

2024年5月9日木曜日

BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.2(全3回):本作の原案……の更に原案、そして作者のゲーム制作活動遍歴

 本記事は前回の「BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.1(全3回):BraveBringerの開発経緯」の続きとなります。
その前提で記載されていますので、まずは先にそちらをお読みください。

前記事の冒頭にも記載しましたが、基本的には作者の自分語りと与太話が中心になりますので、時間の有り余ったお暇な方だけお付き合いいただければと思います。
また本企画はBraveBringerのネタバレを含みますので、気になる方は本編クリア後に読んでいただければと思います。

今回は第2回として『本作の原案……の更に原案、そして作者のゲーム制作活動遍歴』をテーマにすすめていきます。


前回書いたように、BraveBringerは似たようなタイトル・キャラで作り始めては途中で頓挫……を何度も繰り返して、10回以上エターナった末に完成したものとなります。
今回はそもそもオリジナルRPGを作ろうと思い至った原点について語っていきます。

ゲームに限らず創作活動において、いきなりきっかけゼロからゲームを作るぞ!という人はなかなかいないと思います。何らかの作品に触れる中で強い感銘を受けたり、自分も何かを作りたいと感じたりしてそこから創作活動を行う、というのが多いのではないでしょうか。
自分の場合、初めて触ったゲームは当時親が持っていたスーパーファミコンの「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」であり、初めてやったRPGが「ファイナルファンタジー5」でした。それらの作品をご存じの方であればもしかしたら、BraveBringerの中にそういった要素をなんとなく感じられたかもしれません。(一部、よく知らなくても分かる程露骨にオマージュしているものもありますが)

ゲームを「遊ぶ」のではなく「作る」というところに至った原点としては、子供の頃にゲームのオリジナルステージ等をノートの切れ端やチラシの裏に描いたことでした。はじめは、ドンキーコングのオリジナルステージや、ゼルダのオリジナルダンジョンなんかを暇なときに考えたり描いたりしていました。そこから派生して、主人公が既存キャラクターではない、自身のオリジナルキャラクターを主役としたゲームのマップやイラストを描くようになりました。その主人公こそがBraveBringerの主人公ユリウスの前身であり、そしてこのゲームのラストボスとして登場した主人公の影から生まれた魔物が同作キャラであるクラッドの前身でした。

それに続いて、描くようになったのがFF5に触発されたオリジナルRPGです。
ある意味BraveBringerの原点の原点ともいえる『EightHeroes』と銘打たれたそれは前作主人公とラスボスの2名に加え、総勢8名のキャラクターが仲間として登場する予定でした。8名の中には2人以外にも一部の要素がBraveBringerに引き継がれたキャラが何名かいたりもします。とはいえ当時の自分に長編を丸々すべて考えることなどできるはずもなく、EightHeroesは序盤といくつかの主要イベント以外は何も考えられず中途半端な状態で終わってしまうわけなのですが……。
以下に、登場予定だった8名のデータを覚えている限り記載しますが、なんとなく今につながるキャラクターが何人か見えてくるかと思います。

未完で終わってしまった理由の一つとして、成長につれて『そもそも個人の規模でゲーム制作などできるはずもない』ということに気づいてしまったのもありました。しかし家にPCが置かれネットに触れるようになったところで、自分でカスタマイズできるゲームの存在を知ります。それがRPGツクール……ではなくJavaScriptで作られたブラウザゲーム『スーパー正男』を元とした『まさおコンストラクション』(以下、正男)でした。その名前の通り、某配管工アクションをオマージュした横スクロールアクションゲームなのですが、メモ帳でHTMLを書き換えるだけで簡単にステージをカスタマイズでき、画像を差し替えればオリジナルの主人公や敵を作って登場させることもできました。当時はネット上にいくつも正男を取り扱うサイトが作られ、専門のコミュニティサイトも存在するなどかなりの勢いがあったと記憶しています。
そして、正男用に当時作成したユリウスの前身である主人公のスプライトがこちらです。

……これはひどい。
まあ、その後は本来の主人公である正男などをベースに作り直されて徐々にマシにはなっていきましたが。

余談ですが、まさおコンストラクションは現在も一部有志の手により新規ステージの制作や、機能拡張版の開発が続けられていたりします。


正男ベースの開発を進める中、一部の正男作者の中に外伝作としてRPGを制作する人がちらほら現れ始めました。そこで自分はRPGツクールというものの存在を知ることになります。それに触発され、最初に購入したのはRPGツクール2003でした。既にXPなど新しいバージョンがとっくに発売されていた頃ではありましたが、FF5からRPGを知った自身にとってサイドビュー戦闘とATBシステムを備える2003は非常に魅力的に映りました。

そして最初に作られたのが「SuperMasaoRPG」と題したRPGでしたが、完成こそしたもののタイトルの割に「スーパー正男」の要素は薄く、そのゲーム性やバランスは当時の自分から見ても酷いものでした。挙げ句極端に短いラストダンジョンでは作者自身が2度も登場し、雑に最強装備を投げ渡し、雑にステータスを上げた上でラスボス戦へと放り込む支離滅裂ぶり。結局処女作は完結こそしたものの完成版は公開されることなく、作者PCHDDに黒歴史として残されるのでした。
(実はネットの海のどこかに当時公開した体験版が今も漂っていたりしますが……考えないことにします。)


ただ、そこから制作活動はアクションよりもRPGに寄っていきました。SuperMasaoRPGの続編として作られたユリウスの前身とレイをW主人公としたオリジナル作品を皮切りに、正男ベースで作成していた作品群とは別の路線として彼ら自身のオリジナル作品を作るようになります。

その次に作成に着手したのが主人公、クラッドの前身、レイの3人を主軸にしたRPG、「ThreeKnightsAdventure」でした。オリジナルキャラだけで独立した世界観である、という意味でこの作品もまた現在のBraveBringerの原点とも言えるかもしれません。まあ当然これもまたエターナるわけで、ここからBraveBringerの完成に至るまでに10回以上に渡る制作とエターナルの繰り返しに突入していくのですが。

そんなエターナル期の末期に、味方や主要人物の歩行・戦闘グラフィックをすべて自作して力を入れていた「BraveBlade」の制作が行き詰まり、そしてRPGツクール2003のエラーによるデータの破損が重なったことをきっかけに、これをベースとして第1回で触れた「シナリオを先に完成させてから作る」の形式での制作を行い、確実に完成させる事を決意しました。
よってしばらくはマップ・イベントの制作からは手を引きシナリオやデータベースの作成にのみ専念することになります。その結果、長い時間を経てようやくBraveBringerが完成することとなるのでした。

ここまでの過程の中でそれぞれのキャラクターが現在の立ち位置に至るまでにどのような変遷をたどったのかについては、次回キャラクターごとの振り返りで触れていくこととします。


……ついでのようになって申し訳ないのですが、実は2023年のBraveBringer本編に先駆けて、とある登場キャラクターが他作者様の作品に登場していたりします。

その作品というのが、夢幻台 様(@div332)が2021年に公開された「ツクールメモリア」です。

ツクールフォーラムで開催された「第3回オリキャラコンテスト」をきっかけとして作成された作品であり、BraveBringer本編第4章で登場したサブキャラクターであるグツコー元将軍がプレイアブルキャラクターとして参戦しています。

……はたしてBraveBringerをプレイした人のうち何割が、彼の存在を覚えているかはわかりませんが。

ともかく「ツクールメモリア」はオリキャラコンテストの参加キャラクターをはじめとして様々な作者様が生み出した多数のキャラが登場するボリュームたっぷりで魅力的なクロスオーバー作品となっていますので、ぜひプレイしてみてください。

 

といったところで今回はここまで。

次回記事ではBraveBringerで立ち絵のあるメインキャラ10名の変遷について書いていきます。

それでは。

2024年5月2日木曜日

BraveBringer公開1周年振り返り企画Part.1(全3回):BraveBringerの開発経緯

 早いもので、本日でBraveBringer公開からはや1年が経過しました。
それを記念して……というほどの事ではないのですが、先日Twitter(現X)でフリーゲーム・同人作品の制作記録や編集後記に関する話題を見かけたこともあり、需要があるかどうかは分かりませんが、今回より3回に渡ってその制作経緯や裏話などをテーマごとに残していこうかと思います。

 基本的には作者の自分語りと与太話が中心になりますので、時間の有り余ったお暇な方だけお付き合いいただければと思います。また、今回はそこまで多くありませんが、本企画はBraveBringerのネタバレを含みますので、気になる方は本編クリア後に読んでいただければと思います。

今回は第1回としてシンプルに『BraveBringerの開発経緯』をテーマにすすめていきます。


 BraveBringerはこれまで似たようなタイトル・キャラで作り始めては途中で頓挫、を何度も繰り返していた作品で、その回数はおそらく10回以上に登っていたかと思います。
その中で学んだことは「展開を作りながら考えない」「完成させる前からその続編や外伝作には手を付けない」「要素を詰め込みすぎない」ということでした。
また、傾向として終盤になるほどマップ構成が雑になるというのも自分の弱点として経験則でわかっていました。

 そこで「ゲームを完成させる」という大きなゴールにいきなり向かうのではなく「シナリオを完成させる」「データベース・マップを完成させる」「イベントを設定する」の3段階に分けて、それぞれを小ゴールとして1段階ずつ順番に作っていくこととしました。
 まずは、頭から終わりまで一旦プロットだけでなくセリフやイベント内容を含めたシナリオを先行して完成させました。……とはいえ、それだけでも途中放置の期間(これが大半)を含めて2018年頃から2021年とかなりの期間を要することになってしまったわけですが。
実際には事前作成したシナリオから変更された内容や設定もありますし、これが最適解だとは到底思っていませんが結果的に完成にこぎつけられた点は、よかったのかなと。
ただ、時間がかかりすぎるうえに弊害も色々と多かったので、プロットだけでなくセリフ内容まで含めて事前に作成する形式での制作は多分二度とやらないと思います。

 なんとかシナリオは完成、マップやデータベースも概ね完成してそろそろ一番面倒で時間のかかる「イベントの作成」の段階に差し掛かったところで、「ここまで来たなら絶対にこれをエターナらせてはならない(※)」と考えました。そのため”ゲームの完成度を上げる”とともに”自身の退路を断つ”ために、SKIMAというサイトを利用して「自キャラの立ち絵を有償依頼して作成してもらう」ことにしました。
いくつかのコミッションプランを確認し、1枚あたりの価格、表情差分の扱い、イラストの画風等様々な要素を吟味して、今回1657さん(@1657san)というイラストレーターさんに依頼することにしました。
ゲーム用の立ち絵を作るのは初めて、というところに10名分のキャラクターイラスト+敵グラフィック+イベントスチル……といきなり大量のリクエストをぶつけることになってしまいましたが、快く対応頂いた1657さんにはこの場を借りて改めて感謝いたします。

 今思えば「失敗すればお金が無駄になり、イラストレーターさんをも悲しませてしまう」という、ともすれば自身をも追い込んでしまいかねないやり方でしたが「自分の生み出したキャラクターに唯一無二のビジュアルがつく」ことは思った以上に制作モチベーションに寄与し、キャラクターたちにより強く愛着を持つことにも繋がりました。結果として最後まで完成に至りましたので、今回に限っては成功であったと思います。

(※注:”エターナる”とは、ツクールユーザーの間で作品が完結しないまま、制作が止まってしまうことを指します。)


 自身の弱点とこれまでの反省点を生かした強攻策とイラストパワーによるモチベーション向上により無事、完成間近となったタイミングで「タイトルロゴ」をどうするかという点に思い至りました。
というのも10年前に「キラーナイツ」作成でも完成時同様の問題にぶち当たり、急遽Officeのワードアートでクソダサカラフルロゴを作成して公開するハメになったからです。
キャラ立ち絵依頼により財布の紐が緩んだというのもありますが、せっかくオリジナルの立ち絵を書いてもらえたのだからどうせならこちらも、と依頼を出すことにしました。
前述のSKIMAにはクリエイターに依頼する以外にも、条件と金額を指定してクリエイターを募集する「リクエスト」という機能があったので今回はそちらを使ってみることにしました。
その結果想像していた10倍くらいの立候補者が集まってしまい、断るのを申し訳なく思いながらもその中からコメントやポートフォリオ等を見て吟味し悩んだ末に、眩目くるめさん(@monokurupict)という方にお願いすることにしました。
結果、こちらの意図や細かいデザイン等を汲んで頂き現在タイトル画面に掲載しているロゴを作っていただきました。
もともとVXAce以降のツクールにはタイトルに自動でゲームタイトルを入れてくれる機能があるのですが、ちゃんとしたロゴが入るとタイトル画面やエンドロールもゲームらしい雰囲気が出るため、こちらもやはり依頼してよかったと感じました。
改めまして、眩目くるめさんにもこの場で感謝させていただきます。

 すべて完成しテストプレイが一通り終わったのが2022年終盤であり、もともと年内に公開予定だったのですが、ここで自分の悪い癖が出て「キャラ同士の会話シーンを入れよう」という突然の思いつきで『宿屋会話』の要素を追加することになりました。
これは制作時に発案はしていたもののボツにした内容だったのですが、思い至ってしまったのが運の尽き。制作とテストプレイは更に伸びることになり、公開日時は年内予定から年度内、4月中……とどんどん伸びていき、最終的にはゴールデンウィークの2023年5月初頭に公開する運びとなりました。
度重なるテストプレイでバグや誤字脱字は修正したはずだったのですが『慣れ』というのは怖いもので、発表から1ヶ月は見落としていたバグやうっかりミスの修正対応に追われていました。

 一方で3桁行けばいいなぁ……程度に思っていたプレイ数は想定以上に大きく伸び、多数の感想コメントとバグ報告いただきました。遊んでいただいた方、そしてバグ報告いただいた方への感謝の言葉をもって改めて本企画のPart1の締めとさせていただきます。

自分の作品に向き合っていただき、本当にありがとうございました。


 2回目がいつになるかは未定ですが、次回はより自分語りに特化した「BraveBringerの原案……の更に原案、そして作者のゲーム制作活動遍歴」についてとなります。
無駄にしていい時間が有り余っている方がいれば、引き続きお付き合いください。

【アップデート版公開】BraveBringer/ブレイブ・ブリンガー Ver1.11

お久しぶりです。 BraveBringerの公開から1年以上が経過し、ふりーむでは2,900DL、PLiCyで8000Play、夢現では 700DL と、正直身に余るのではないかというほどの反響を頂いております。 (毎回プレイ回数書いていると数字しか見ていないようでアレかもしれま...